シティプロモーションで子育て環境が充実したベットタウンに住んでみよう!

シティプロモーションの近年の動向とこれからとは?

ベッドタウンのシティプロモーション
    

近年の動向と今後の可能性(2023/9/25更新)

近年の動向と今後の可能性(2023/9/25更新)            

シティプロモーションはさまざまな自治体で行われていますが、まちの特性や目指すべき方向性によってその過程は自治体ごとに異なります。

シティプロモーションの目的とは?

シティプロモーションはまちの特性に応じてそれぞれ方向性が異なりますが、一般的には、まちの知名度や認知度を向上しブランド価値を高める「まちイメージの向上」、来訪者やまちで活動する人々や事業者を増加する「交流人口の増加」、住民の愛着性の向上や転出者を抑えて定住志向を高める「定住人口の増加」の三つに分けられます。
これらはお互いに密接しており、それぞれの方向性に向かってバランスよく目標を達成していくことでさらに循環が良くなり、より高い効果を期待することができます。
ただし、交流人口と定住人口では目的が異なっているため、集客のために働きかけるまちの魅力も異なってきます。そのため、それぞれの方向性に向けて活動内容も変わってくるためこの中のどれかに重点をおいて取り組んでいるところがほとんどです。
先述した流山市の場合は、これと言って目立った施設もないため観光地としての特性があまり強くなかったことから定住人口を増やす方向にチェンジし、ターゲットとなる共働き世代、DEWKSが住みやすいように取り組みました。
これに対して、静岡市のように観光地としての要素が強い場合は定住人口ではなく交流人口を増やすことを目的とし、来訪する人が分かりやすいように市のホームページに観光地のマップを乗せるなど観光の情報を発信して、来訪者を増やす取り組みを行っています。

今後の展開は?

過疎化による人口の減少や高齢化に悩んでいる地方自治体は少なくありません。そのため、まちを活性化し経済効果も高めるシティプロモーションに注目している自治体も増えてきています。
しかし、実際にシティプロモーションを計画している自治体の中には、シティプロモーションの目標でもあるまちの認知度やイメージ、愛着や誇りを高めるといったことは客観的には分かりにくいため、目標指針が明確に記されていない自治体もあります。そのため、効果の検証や見直しを定期的に行う必要があります。
また、地方再生の一環として、人口の減少を止めるために出生率の増加や定住人口の促進を促す取り組みが国をあげて行われています。まち産業の活力を維持し雇用を促進させることや、住環境が豊かになるように整備し、子育てや生活がしやすくなるようにサービスの充実させることなどを目的としてさまざまな取り組みがなされていますが、この目的を達成するためにはまちの魅力をアピールして住民や来訪者に興味を持ってもらい、参加と協力を得る必要があります。そのためにもまちへの理解と愛着を高めなければなりません。
シティプロモーションは地方創生により高い効果を与える有効な取り組みです。そのため、今後は2020年の東京オリンピック、パラリンピックを見据えてますます活発化する可能性があります。

増やしたいのは、移住したい人でもなく、観光客でもなく、地域に関わってくれる人?(2022年7月11日追記)

最近、シティプロモーション界隈で急速に注目を集めている言葉。それが「関係人口」です。
「移住した『定住人口』でもなく、観光に来た『交流人口』でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉」。総務省による定義です。

一時的に滞在するだけの「交流人口」よりも地域に強く関わりたい、かといって「定住人口」になるのはハードルが高すぎる…。そんな思いを持つ「地域外の」人々が、継続的に地域に関わり地域に変化をもたらすケースが見られるようになってきました。「関係人口」を多く生み出すことができれば、人口減少・高齢化による地域の衰退に歯止めをかけることができる可能性が高まります。

自治体からの希望だけでなく、継続的に地域と関わりたいと思っている人々が少なからずいて、総務省のサイトでは「関係人口となった方の声」が紹介されています。
きっかけは様々。ビジネスや大学のサークル・授業で、上京をきっかけに、友達に誘われて…。

継続的に関わるうちに、どんどん周りを巻き込んで、活動の幅が広がっていく人が多いようです。また自分ある武器を生かして、地域を活性化できないかと行動する人も。
加えて、今はSNSなどで拡散され、それを見つけた誰かがやってくる…という広がり方もあります。
自治体が仕掛けずとも、「関係人口」が企画し、同じように地域と関わりたい人を連れて来てくれる。非常に未来を感じます。

参考:関係人口ポータルサイト
https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/about/index.html

2022年12月、You Tubeに一つの動画が上がりました。(2023年2月16日追記)

そこには【移住失敗】、「もう限界」の文字。
東京から限界集落へ「地域おこし協力隊」として移住した一家は、約1年で定住を諦め、別の地域へと移り住むことにしたそうです。

その動画に綴られていたのは、人間関係のトラブル。
非常に良くしてくれた地域の方もたくさんいたが、一部の方々とのトラブルで、心身ともに限界が来てしまい、引っ越しを決意したとのことでした。

田舎で憧れのスローライフ、地方再生を自分の手で…ポジティブな部分がクローズアップされがちな地方移住。しかし、実際に移住した人たちの中には、人間関係に悩んで移住を断念する人も珍しくないのだとか。
「お互いのコミュニケーション不足」なのではないか。地域には移住者にはわからない「地域で長年培われてきたルール」があり、それを伝えていないため、移住者は知らずにそのルールを破ってしまう、そしてそこからすれ違いが起きて、修正できぬまま、どんどん問題が大きくなっていくのではないか、と有識者たちは語っています。

ならば我が町の方針を伝えます!と福井県池田町の区長会が広報誌で発表したのが「池田暮らしの七か条」。
「池田町の風土や人々に好感を持って移り住んでくれる方々のための心得」として、「都会風を吹かさないように」「品定めがなされていることを自覚してください」などと記載されています。

前もって、地域のルールを伝えるのは良いことであると思うし、あとから「失敗した」「こんなはずでは…」と思われないための予防線であるのだろうなと想像することはできますが、なかなか激しいワードチョイス。

まだまだ地域と移住者の意思疎通が足りておらず、今後のコミュニケーションのとり方が重要になるだろうと思わされるニュースでした。

2023年2月、また別の方がYou Tubeで「移住失敗」を発信。(2023年9月25日追記)

北海道に2020年から移住して、情報発信をしていたYou Tuber・りんさん。
こちらも村の方とトラブルとなり、嫌がらせを受け、移住先の村から別の場所へ移動したとの内容。その告発を行ったあと、避難先にまで嫌がらせを受けたため、警察からの指示で緊急避難したとの内容。

2023年5月、また移住者の方がトラブルとなったニュースが流れて来ました。

今回の舞台は高知県土佐市。
騒動の中心にいたのは東京から「地域おこし協力隊」として移住した男性。同じく移住者の女性と、土佐市の観光施設でカフェを運営していたところ、施設を管理しているNPO法人の理事長から嫌がらせを受けた、ということをSNSで発信。その投稿はまたたく間に広がり、土佐市は大炎上。

市には抗議のメール・電話が殺到。ついには市の教育施設への爆破予告まで出て、警察が捜査する事態にまで発展しました。

ますます移住は難しいのか…と思わされてしまいますが、その一方で成功していらっしゃる方がいるのも事実。
そういった方は総じて「周りの方々に助けられた」とおっしゃっています。

移住者を受け入れる側は手厚いサポート・フォロー体制を整えることが最重要。移住者に関わる人々に、しっかり目的を共有し、指導していくことが求められます。
地域を盛り上げるには、受け入れる側の努力が必要なのだと再認識しました。

注目記事