シティプロモーションで子育て環境が充実したベットタウンに住んでみよう!

つくばエクスプレスの開業で「都心から一番近い森のまち」となった流山市

ベッドタウンのシティプロモーション
    

「都心から一番近い森のまち」、流山市の取り組み(2020/6/23更新)

「都心から一番近い森のまち」、流山市の取り組み(2020/6/23更新)            

転入者が急増し注目を浴びている流山市ですが、その背景には流山市が独自に制定したシティセールスプランがあります。第一期では知名度を上げることを目指して、第二期では第一期で生じた課題の解決を目指しています。

第一期シティセールスプランは「知名度を上げる」

2011年、「都心から一番近い森のまち」をキャッチコピーとして流山市の知名度を上げるためにまずは都市のブランドイメージを設定することから始めました。そのひとつが「流山おおたかの森駅」とインパクトがある駅名です。近くに健全な森にしか住むことが出来ないオオタカが生息している森があることからこの名前が付けられたそうですが、地名を使った一般的な駅名とは一線を画した名前なためインパクトが強く、もくろみ通り、世間の注目を集めることができました。 また、ターゲット層を子育て中のファミリー世帯、特にDEWKSと言われる共働き子育て世帯に絞ってマーケティング戦略を展開したり、スマートフォンの普及に伴ってSNSを利用したまちの魅力を発信したりと市外の人からの注目を集めるだけでなく、実際に住んでいる住民にも流山市に対して愛着を持ってもらおうとさまざまなシティプロモーションを行ってきました。 それらの戦略は大きな効果を上げ、今ではシティプロモーションが成功したまちとしてさまざまな自治体から注目を浴びています。

第二期シティセールスプランは「期待を裏切らない効果を出す」

第一期シティセールスプランの「知名度を上げる」という目標は達成されつつあるため、2016年から2020年に向けて「期待を裏切らない効果を出す」ことを目標としたシティセールスプランが発表されました。今後は子育て支援や教育施策の充実さに期待して転入してきたが期待外れだったと思われないように「住み続ける価値の高いまち」として人口の減りにくいまちを目指し、そのために第一期のシティセールスプランに加えて、流山ブランドを確立して洗練されたまち、憧れのまちとなるよう「グッドデザイン・シティ」の取り組みを進めていくそうです。

急成長の影には課題もある

しかしながら、いくらマーケティング戦略が成功し高い効果を発揮したとしても急激な成長にはなにかしらの軋轢が生じてしまいます。もちろん流山市も全てが上手くいっているわけではなく何かしらの課題がありますが、この課題も第二期シティセールスプランで解決することができれば市民のまちに対する愛着心が高まり、さらに住みやすいまちになるでしょう。

流山市の課題と対策の成果(2020年6月23日追記)

流山市は、平成30年の転入超過数が全国8位、人口増加率は2013年~2018年の6年連続で千葉県内1位となっています。人口構成で見てみると、シティプロモーションのターゲットだった子育て世代が大きく増加していることが分かります。これにより、保育ニーズの高まりに早急に対応する必要が生じました。待機児童数が千葉県内ワースト3位(2016年・146人)、ワースト5位(2017年・92人)となったこともあり、共働き世帯の増加に対応できるよう、認可保育園等の新設や増設、保育園の送迎の負担を減らす駅前送迎保育ステーションの設置といった施策も実施されています。その後、待機児童数は減少しつつありますが、それでも2018年は29人、2019年は42人という推移になっています。 もうひとつ、日本全国共通の課題とも言えますが、流山市でも高齢者の増加が加速化しています。2025年頃までに団塊の世代が75歳以上になること、高齢者の一人暮らし・夫婦のみ世帯の増加、医療や介護需要の増加に対応するための施策が必要です。高齢者の増加によって市税収入が減少することも、課題の解決に足枷となります。 高齢化による問題は、働く世代の支えなしに解決へ導くことは難しいですが、流山市はシティプロモーションによって共働き世帯の増加という成果を得ることができたので、保育ニーズを満たし、共働き世帯が働きやすい環境を整えることで市税収入を増やし、高齢者に関する課題も解決へと導いていけるのではないでしょうか。

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